マジック

本当は右手に持っているのにも関わらず、右手で投げる振りをし、左手で受け取る振りをして、右手から左手に投げたと思わせる。本当は膝の上に落としているのに、あたかも持ったままであるかのように見せかけ、何度か右手と左手で交換する振りをして、開けてみると両方になく、消えてしまったように思わせる。
適当すぎる例だけど、そういった要所要所で例を提示して、その間を脳内で補完させて奇跡を演出するマジックは、コマとコマとの間を脳内で補完して動いてるように見えるアニメのような、そんな認識の仕方から成り立ってると思うんだけど、一事が万事そうだとしたら、現実をまるっきり見てるわけじゃなく、コマとコマとの間を、事柄と事柄の間を、脳内で補完して繋げて見てるってことだよね、と。まあ、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、なんとなく。


なんだろう。例えば手の中にコインがあったとして、コインを基点に見れば、そしてその経路を、理由を考えようとすれば不思議が生まれるけど、ただ見てるだけだったら何の不思議も生じない。右手が動いて、左が動いて、右手を開けたらコインが出てきた、ただそれだけ。単なる受像器と変わらないと言えなくもない。そこが分かれ目か?ってのは流石に言い過ぎか。単に理由を求めがちってだけかな。まあ、ある瞬間からある瞬間へと至った、その経路を知りたいと、得たいと求めるのが、理由ってことなのかな、と。更に当たり前っちゃ当たり前なんだろうけど。