普段は色気ない深夜番組がベタなエロ企画をやっているのを見て

なんだか寂しいような取り残されたような感覚を抱く。なんだろうな、この感覚はって思い出したのがShow by ショーバイで逸見さんが休んでたときのエロ企画。普段は逸見さんが怒るけど、今日は逸見さんがいないから特別だぜって出演者の誰かも言ってたけど、見てるこっちも修学旅行の夜に見回りの先生の目を盗んで夜更かしするような、いつもは禁止されているけど今日だけは特別な、そんな感覚にワクワクどきどきしてた。
でも逸見さんは死んじゃって、怒ってくれる人はいなくなった。その後は頻繁にエロ企画が垂れ流されるようになったけど、そこにはあの時のどきどき感は欠片ほども残っていなくて、ただただ垂れ流されるエロ企画を眺めてた。でも、垂れ流されるエロ企画を眺めてると、エロ企画に怒ってた元気な頃の逸見さんのことが思い出されて、次第に大好きだったShow by ショーバイを見ないようになった。
つまり僕らは叱られたかったんだろう。ただエロ企画を見たかっただけじゃなく、逸見さんがダメですよっていうエロ企画をやって、帰ってきた逸見さんにいつものように叱られたかったんだろう。叱られるためにいたずらをする子供のように、ダメですよって言いながらも優しさが滲み出る逸見さんに、叱ってもらいたかったんだろう。
なんてえことを書くと流石にくさすぎて安っぽくなっちゃうけど、まあガキの頃の話だからな。小学校低学年くらいか。次第に番組自体がつまんなくなったってのも勿論あるんだろうけど、でも低学年の自分はエロ企画を見る度に逸見さんを思い出して悲しくなったことは覚えてる。あ、でも、ダメですよ、なんて口調だったかは覚えてないからそこは雰囲気。要は叱られることが前提の禁止の侵犯ってのもあるよねっと。というか目的か。本当、親に構ってもらいたいが故にいたずらをして怒られようとする子供みたいなもんでさ。いや、でも、場合によるか。実際に怒られたくはないけど、その行為を盛り上げるための、アクセントとして怒る存在が必要な場合とかもあるしな。まあ、そんな感じでこんな感じ。特に落ちはない。というか、あった試しがない。