安い飯を食い安い酒を飲みクソをひり出す。こんなことのために働かなければならないなんてうんざりだ。
そんなことを書いてる作家がいた。まあ、わからないでもない。生きてる意味云々も、簡単な式にしたら、こういう風になるんだろう。生きることで得るものと、生きるために費やすものの不等式。費やすものの方が重くなると、限界よろしく超えてくると、生きる意味云々って形で現れると。
シンプルに考えるならば、得るものを増やそうよ、趣味や何かで人生を謳歌しようよ、世の中はこんなにも楽しいんだから、ってなるんだろうけど、みんながみんなお花畑ではないから難しく、クスリでも極めない限りシーソーを逆転させるのが難しい人間もいる。なら、どうすりゃいいかっつったら、それとは全く逆の発想で、生きてる意味云々のよくある返答、じゃ死ねば?、を使うやり方がある。
どう甘く見積もっても得るものの方が圧倒的に軽く、費やすものが圧倒的に重い、なんで生きてるんだろうって場合、じゃ死ねば、って答えは必然的に頭に浮かぶ。でも浮かんだからと言ってみんながみんな、なら死にますわーと死ぬわけじゃない*1。なぜかっつったら、死ぬのはやっぱり怖いから。
だから式を正確に表すとこうなる。得るもの + 死ぬ怖さ > 費やすもの。得るものと死ぬ怖さを上回る重さを右辺が獲得したとき初めて死という決断が現実味を帯びる。死ぬ怖さが大きければ大きいほど左辺は重くなり、ちょっとやそっとのことじゃ死ぬという決断をしないことになる。だから得るものを増やそうよってんじゃなく、もっと死についてびびればいいよというアクロバティックな解決法。これを最初の例に当てはめてみるとどうなるか。
安い飯を食い安い酒を飲みクソをひり出す。こんなことのために働かなければならないなんてうんざりだ。うんざりだが、死ぬのが怖いから、うんざりして死にたいくらい働くことに嫌気が差しているのに、それでも死ぬのが怖いから、死ぬこともなくうんざりな仕事をこなしている。
銃があったら思わずぶっ放しちまうくらい、ますますうんざりな結果に。あれ?

*1:もしそうならば人間はこんなにいない