歯磨き粉が売ってない

「幸せってやっぱりサザエさんみたいな家庭をもつ事だと思わんか?」
「思わん」
「じゃあ人生の意義とは何だ?」
「魂の燃焼だ」

いろんな見方ができるけど、たとえば自分を起点とした自分の幸せではなく世間一般で幸せとされているあったかい家庭を持つことが幸せであると定義しがちであるとか(そしてそこから自分を逆算し、世間一般の幸せのモデルと自分とは異なるから不幸であるとしてしまうとか)、結果と過程の話としてもみれるよね、と。
サザエさんみたいな家庭という結果が幸せなのではなく、なにかを得る過程である、魂の燃焼に意義があるとするならば、結果としてなにかを手に入れられなければ不幸であるという考えからは抜け出せる。結局のところ、なにそれになれなかったから自分は不幸であるか?違う。それを求める過程で、自分の魂は燃焼していた。だから無意味などではない、てな具合に。以前の酒の話にも近い。酒に入ってる氷もすぐに溶けてやがて蒸発してしまうけど、今この瞬間は、とにかく、冷たくて、気持ちのいい飲みものなんだから云々。