わたしが勝手にあなたのことを好きでいるだけですから。
ナチがユダヤ狩りに来ました。あなたの家にはユダヤ人がいます。もしもナチに連れて行かれたらそのユダヤ人は死にます。さあ、そこで。あなたがそのことをナチに告げ、そのユダヤ人は連れて行かれたとしたら、あなたに責任はあるでしょうか?答・責任はない。
そんな話を思い出す。最初その話を聞いたときは、え?なんで?って思ったけど、ま、考えてみれば、そうべらぼうに不思議でもない。以前自己責任の話で、部屋に閉じこめられてその中にボタンが二つだけあります、どちらかを押せば部屋から出られますがどちらかを押せば死にます、みたいなのがあったけどそれと似てる。あるいは笑ってはいけない罰ゲームで、味方を笑わせた人間に責任はあるのか否かってのにも似てる。でも多分いちばんわかりやすいのは、あなたがわたしと付き合ってくれなきゃ死にます、っていう相手を振った人間に責任はあるのか否かって場合だと思う。いずれも責任があるのは、ユダヤ人を殺すナチであり、1/2で死ぬボタンを押さざるを得ない環境に放り込んだ人間であり、笑ったら罰を受けなければいけない状況を作り出した人間であり、振られたからといって自殺するその当人であるのだから*1
そう考えてみると、わたしが勝手にあなたのことを好きでいるだけですから、ってのはあれだよねー、ずるいよねー、本当に勝手に好きでいるだけならそれを明かしちゃダメだよねー、ってカンジを想定してたんだけど、でもこの理屈で言うならば、べつに問題ないよなあ。付き合ってくれなきゃ死にますっていう人間を振って死んだとしてもそれはそいつが勝手に死んだだけ、つまりわたしが取った行為は誰かを振るという行為だけであってその波及効果までは預かり知らないというかそっから先はそいつの責任なんだから、って理屈でいうならば、わたしが勝手に好きでいるだけですからと明かしたところで、相手の重みになるとわかっていたとしても、重みを感じようが感じまいがそれはそいつの責任ですから、って話だよなあっと。うーん、歯が痛い。右の奥歯の根っこらへんが痛いから、虫歯なのか顎関節症なのか区別がつかない。あるいは親知らずか。うーん、歯が痛い。

*1:書いてて違和感。振った人間は、2番目3番目の話のように、自殺せざるを得ない状況に追い込んだ人間に該当するのではないかという。ま、該当しない気がする、感覚的には。思考は絶賛停止中。