なりなりて

「お前の体どんなカンジ?」
「いやあんたのと一緒やと思うねんけど、なんか一カ所へっこんでんのよね」
「奇遇やな。オレもなんか一カ所でっぱってんねん。せっかくやし、そのへっこんでるとこにでっぱってるとこいれてみよか?」
「そうしよか」

という経緯で日本は生まれたわけだけど、これがもしもひとりだったらどうなってたのかなあと考える。
というのも、相手がいたからこそ、でっぱってるとかへっこんでるとか気づけるわけで、もしもひとりならばどんだけでっぱってようがへっこんでようが、それは不備にはならないのだから。
じゃ、それが完全かっつったらそんなことはなく、和合したふたりと比べたら全くもって完全とは言えない。じゃ、不完全かっつったら、ひとりっきりということはでっぱりやへっこみが不備にならないわけだから不完全とも言えない。じゃ、これは一体全体なんつったらいいのかなっと。
井戸の中のカエルみたいなもんだと思うんだよね、こういうの。井戸の中のカエルを滑稽に思うのは、それはあくまで外から見た話であって、純粋に井戸の中のカエルの視点で考えるならば、べつに不幸でもなんでもないよねっつー。