そして二人だけになった

最後らへんのトリックにはおー!すげー!って感心するも、その後のぶち壊しにえ?え?って戸惑い、結局なんじゃそりゃそりゃって感じになったので適当にググったりする。トリックの時点でミステリとして高いクオリティで成立しているのにそれをぶち壊すところが作者らしいってのを読んで、勅使河原潤がA海峡大橋を壊した理由の述懐が思い出される。技術的進歩の確認と労働力の創出のためという理由で作ったんだから壊してしまってもいいだろう。その方が新たに橋を造る際に更に進んだ技術的進歩を確認できるし労働力もまた創出される。4人を殺したのは開発関係者が生きていると同じ物を作ろうという愚を犯すから。彼らがいなけれな新たな技術の可能性が望めるだろうから。それと同じように出来のいいミステリも壊したのかな。でもまあ結局は、『「何故殺したのですか?」僕はもう一度質問をした。「殺したかったからだ。」彼は言った。』って具合に壊したかったから壊した、って感じなのかな。トンチンカンな読みも読者の特権だとか自由だとか楽しみだとかって話だから、そんな妄想。