思い違いをしてたのかもしれない

彼は真実透明だったし、彼女たちは一度ちやほやされた快楽を忘れられないからだなんてちゃちな理由から整形に走ったわけではなく、透明になって消えてしまうことを恐れてそうしたのかもしれない。


前に書いた話は、まず、髪を切ったのに気づいてくれないことに対して落胆する嘆く悲しくなるという感情は、髪を切ったのに誰も気づいてくれない→切る前の自分と切った後の自分はこんなにも変わったのに気づかない→もしかして誰も私を見ていない?→見えてない?という透明な存在に近いものなんじゃないのかという話。
次に、芸能人が自分のことを知らない人間を貶めるのは*1認知されてないということが不快であり、その逆の認知されるということが快楽であるからじゃないのか。透明な存在が辛いことであるならば、その逆である認知されまくった有名人は快なのではないか、誰も髪型を変えたのに気づかないくらい自分のことを気にしていないと悲しくなるのなら、皆がすぐに自分の些細な変化に気づいてくれるくらい自分のことを気にしてくれたのなら嬉しいんじゃないのかという話。
それらをまとめた最後の話。芸能界で人気が落ち目の子が整形しまくったり、脱いだりAVに出たりしてまで頑張るのは何故だろうかという話。人気がなくなったら田舎に引っ込んで普通に暮らすことができるのに、身や心を切り売りしてまでも頑張り続けるのは一体何故なのか。それは上二つの話のように、認知されるという快楽を忘れられないから、普通の認知が少ない暮らしなんて選べないんじゃないのかなっていう3つが前に書いた話。


で、今回のはそれが思い違いだったんじゃないのかなって話。そもそもそれが彼らにとっての世界であるならば、ただの象徴的な次元じゃなく世界そのものであると認識しているのならば、彼は真実透明だったし、一度大量に得られた認知が薄れることで彼女たちは真実消え行き透明に成り行く存在だったのかもしれない。だから彼女たちを突き動かしていたのは快楽なんてちゃちなものじゃなく、この身が徐々に薄れて消え行くという、認知が薄れることにより透明な存在になっていく、恐怖感だったのかもしれないなっと、そんなことをふと思う。

*1:田舎だったりテレビを見ない人に会った時に、自分を知っているのが当然ということを前提として、軽く嫌みを言うのは。