3日くらい前かな

近所で人が死んだらしい。自分もよく通る道で交通事故。現場は割とスプラッタでそこだけ赤く染まってたとか。その日はいつもの怠惰によってあり合わせのもので済ませることにしたから、家でだらだらしてたんだけど、食材もなくなってたから出掛けてもおかしくはなかった。まあ、以前のような1秒差で轢かれかけたり、0.5秒差で4番バッターの金属バットでのフルスイングが頭の上を通ったりなんてのと比べると、大分甘くはあるんだけど、それでも一応死んでた可能性はあったわけだ。
こんな感じのこと書いた後だったから余計に、たまたま死んだんじゃなく、たまたま生きてるだけ、こんな世の中だから忘れちゃいるけど基本的に生がデフォじゃなく死がデフォなんだよな、っとか思いつつ書くの忘れてたら、あんなことが。ご冥福とか痛ましいだとかは好きじゃないというか苦手だから言わないけど*1、何だか疎遠だった祖父が死んだときに特別悲しみとかがなかった自分の横でまるでドラマに出てくる祖父が死んだ孫のように泣いた妹に抱いた違和感を思い出す、こんな話を書くの忘れてたなってのを思い出したので書いた。


確かに不幸な事件であり可哀想だとは思うけど、それでも冥福だとか怒りだなんて言葉を口にしたくないのは、ある種の潔癖、というか馬鹿なんだろうな、要するに。「わたしのこと絶対好きでいてくれる?」という彼女の問いに対して「うん、絶対。」と即答できるAと「世の中に絶対ということはないから、絶対ではないけど、多分。」と答えるBの場合、この世に絶対なんかありはしなくても、恋愛という場に於いては、自分の言葉に誠実であろうとするBよりも、彼女が求める答えに対して誠実であるAの方が、誠実であるように。
あるいは、礼という行為は真に尊敬する人物に対して行うものであるから誰にでも礼はしないというAと、礼なんて意味のない決まり事であり尊敬できるかどうかは関係なく目上とされる人物であったらただ頭を下げるだけのこととするBの場合、礼に対して誠実*2な考えを抱いてるAの方が礼儀知らずであり、礼に対して何とも思ってないBの方が礼儀正しく礼を知っているとされるように。
だから妹の態度は間違いなく正解であり誠実だったんだろう。でも自分は愚かであるからそれが出来なかった。確かに悲しいかと言われれば人が死んだんだから悲しくはあるのだけれど、まるでドラマの人物のように、うん絶対と即答できる彼氏のように、礼儀正しく振る舞える人のように、正しく泣くことはできなかった。絶対なんてありはしないから多分と答える彼氏のように、尊敬できないからって礼は行えないと答える礼儀知らずのように、いやこれ泣くことの程じゃねえだろうって。多分そんな理由から冥福だとか痛ましいだとか理不尽に怒りだとかは言えない。この場ではそうすることが正しいってわかってはいても、心からそう言えるほどに思ってなんかいやしないんだから。

*1:冥界で迷うとでも言うのか!?って話とかじゃなく。

*2:いや知らないけど、そうだとして。