一部の不細工なカップルの何が苦手かって

好きという幻想が介在しておらず、本音がモロに見えちゃうような感じが苦手。
以前、とあるエッセイで、片田舎の寂れたストリップに行ったら客はその人を含めて4人しかおらず、やる気ない外人がだらだらと脱ぎ踊り、そして1分間のお触りタイムみたいなのが設けられていて、外人さんが客の手を取りおもむろに自分の胸に触らせるサービスがあったらしい*1。だけど、客もそのたるんだ脂肪を1分も触りたくないし、外人さんも仕事だから仕方なくと機械的にやってるだけであって、触らせてる間は中空をぼけーっと眺めているだけ。女は触らせたくて触らせてるわけではなく、男も触りたくて触ってるわけじゃないのに、お互い1分間もその行為を続けなければならない不毛さ。そんな感じの話だった。


不細工のカップルが苦手な理由は、それと少し似ている。整った顔が良いという価値観が敷かれている以上、不細工の価値は低い。勿論、中には顔はあれでも、その分中身がすっごい素敵なんだって人もいるだろうけど、多くは、これまた敷かれている付き合った方がいいという価値観*2に従って、仕方がなく価値の低い不細工な相手ではあるけれど、付き合わないよりはマシだから、こいつで手を打っておくか、といった本音が、不毛なおっぱいタッチの話にように、モロに見えちゃうような感じがして苦手。
顔が良くても本音は金だったりするじゃないかって話もあるだろうけど、幻想、というか妄想を挟めるくらいに、エクスキューズがあるかないかって話なわけだ。実際は金や地位だとしても、顔が良ければ、ああ顔を好きになったんだなっと、事実か事実じゃないかは置いといて、そう思うことができるように。だから不細工同士でも、相手を好きなんだなって思えるような表情だったり、中身があるのならば、全然構わない。


でも、お互いがお互いを見ている振りをして、その実さっぱり見ていない、痛めのバカップルなんかは、ちょっと厳しい。おまんらの目には違う人物が映ってんだろって。両者が相手の後ろに全くの違う人物、例えば過去の恋愛相手を透かして見てるカップルから受ける嫌な感じにも似てる。
ま、要するに、何だかんだ言ったところで、ベタな恋愛価値観の下で育ってしまったが故に、それが生き残ることができる幻想の余地が、何でもいいから相手を相手のままに好きだとする要素が、そんなエクスキューズが存在しない、剥き出しのドロドロしたものを直視できないって感じなんだろうけどさ。かー、我ながら脆弱というか何というか。お花畑を大切にね、とでも言いたくなるような、上等な料理にはハチミツが最高でしゅー、とでも言わんばかりの考えだよな、本当に。

*1:ていうかどこでもあるのかな?ストリップとかよくわかんね。

*2:崩れてきてはいるけれど。