理念的な問題で言えば

女も殴ってあげたいし、あるいは男も殴りたくはないんだけれど、男を殴るのは男らしく、女を殴るのは男ではない、というベタな価値観の下で育っちゃったせいで、どちらつかずな、中途半端なことに。
戦場にいるならば男も女も関係ない、ひゃっひゃっひゃ、っと笑いながらぶち殺しまくるフレイザードや、女を殴るのが悪いのではなく、暴力によって解決することが悪いのであるから、私は男女問わず、暴力を振るわないっていう人のように、どちらか一方の、筋の通った方を選択したいのだけれど、なかなかどうして難しい。
男を殴るのは良いけれど、女を殴るのは絶対にいけない。それは力が強い弱いという理屈ではなく(自分よりも力の強い女に対してもそれはいけないことらしいので)、それは暴力がいけないという理屈ではなく(男は殴ってもいいらしいので)、女を殴るやつは最低だから、女を殴るやつは最低だという、頭の悪い理屈の下で育っちゃったから。
だから、DVのニュースとか聞いてちょっと驚き、想像してみても、女を殴れる気がしない。体のレベルで拒絶される。武道やスポーツをやる女の子の例だとわかりやすいけど、女だからというどうにもならない理由で、同じ土俵にすら上がれない悔しさを感じる女の子にとっては、侮辱でしかないとはわかっちゃいるんだけど、それでもやっぱり女を殴るってのは、自分には無理くさい。
じゃ、暴力はいけないってことで、男を殴るのをやめたらっつー話なんだけど、いざという状況を、殴るような状況を想像してみたら、男を殴るのは男らしいという価値観の後押しで、簡単にボコスカ殴っちゃいそう。いや、多分、ボコスカに負けるけど。実際にあるかどうかは置いといて、もしそうなった場合に、頭の悪いと嫌っている価値観を選択しちゃうだろうことが、純粋に嫌。