運の話

モンテーニュだっけか。長期的視野のない人間は時勢に流されるがままだから、良いときはめちゃくちゃい良いけど、悪いときはめちゃくちゃ悪く、浮き沈みが激しい、川の流れに翻弄される小枝みたいな人生だよねー、みたいなことを言っていたのは。それを踏まえて阿佐田哲也の運の話を読むとわかりやすい。
プロというのは14勝1敗する人ではなく、コンスタントに9勝6敗する人間である。14勝1敗の大勝ちをすると、1勝14敗のような大負けをもする。トータルすると一定である運の量も1戦1戦には当然のようにバラツキがある。だから運の量が少ないときに、大負けする可能性が高い中、無理矢理に勝ちを狙いに行くのではなく、大人しく、むしろ上手く負ける*1くらいのつもりで過ごし、運の量が多い場では確実に勝ちを積み重ねていく。そうして運を上手くコントロールして、コンスタントに9勝6敗していける人がプロである、云々。
読んだの結構前だからうろ覚えだけど、多分大体そんな感じ。本当は実力を使うことで運の無駄遣いをしないとかそんなのもあった気がするけど、まあ簡略的に。昔読んだときはいまいち腑に落ちなかったりしたけど、今改めて、そう読むともっともだなーって思う。運なんて言うとそれだけで胡散臭かったりするけれども、配分の良い悪い等を*2、引っくるめて運と呼んでいるだけで、言ってることは合理的だよなあっと。

*1:大負けを避けて小さい負けで済ませる。

*2:麻雀に限らず場とカードの配分と考えれば割と何にでも当て嵌まる。