バガボンドのあれ

自分の生きる道は天によって完全に決められて、それ故に、完全に自由だっていうあれ。武蔵みたいに、はてな?っと思ったので、どういう意味なんだろうと、ふと考える。
何を以て自由とするかって話で、そもそも自由ってのは何らかを制限するルールがあって、それに縛られない状態ということで、初めて自由たりえる云々みたいな話があるけど、まずそれをベースにする。
次に天によって完全に決められているって具体的にどんなん?って想像してみたら、ガチガチに何日にどうするとかが決まってるんじゃなくて、何だよ決まってるのかよじゃ俺何もやんねってふてくされたら、ふはは残念だなそれはすでに書いてあるって言われそうなイメージだった。じゃあこうしてやる、ふはは残念、じゃあこう、ふはは残念、じゃあ、っていう無限ループ。なぜ無限ループするかっていうと、後出しジャンケン的であるから。全ての可能性を列記して結果が出てから正解だったと言うのにも似てる。競馬で全通りの馬券を買ってほら当たったぜっていうのとか、トランプのマジックで選んだカードによって能書きを変えてマジックに仕立てるあれ*1みたいに。いずれにしろ、結果が出てから、予言や運命も確定する類のイメージ。
最後に完全な自由ってのを考える。最初の話から、ルールがないのは却下。自由ですらない。だから前提として、制約するルールは必要となる。でも制約するルールが存在すると、それの影響を免れない。たとえばあるルールの体系からまるっと外れた行動をしたところで、そのルールを避けたという見方ができるように、全ての選択肢から行動を選べるわけではなくなり、ルールに縛られたものを除いた、残りの選択肢からしか選択できないとも言えるように、完全な自由とは言えない。
じゃ、どうするのかってーと、天によって完全に決められているという、後出しジャンケンを受け入れることで、それは見事に解決する。まず、天が決めているという制約ができることで、自由が生まれる。でも、天が決めているなら自分に自由はないじゃん?ってーのは、後出しジャンケンで免れる。確かに、事前に天がガチガチの運命という制約を課しているのならば、自分に選択の自由はない。でも、天が後出しジャンケンというスタイルを取ることで、行動が確定する前の自分は、全ての選択肢から行動を選択することができる。そして自分が選択し確定した後に天がそれをあらかじめ決めていたとする。天は後から運命を決める。選択時には存在しなかったが、選択後にはあたかも1億と2000年前から決まっていたかのような顔をして、提示する。お前の運命は天によって完璧に決まっていて、それが故に、完全に自由だと。


ま、寝起きの妄想、30秒の発想。でもあれだなー。最初が弱いなー。人に説明できる程に理解できてないから、曖昧で中途半端なことになる。しかし、あれだね。もし、この通りであるとしたら、天ってシステムは随分と暖かい。70人を斬り殺した武蔵のような、誰も知らぬ誰にも分からぬ自分でさえも見守っていてくれる。そして支えてくれる。お前の行動は全て天によって決まっていたのですから気に病むことはないのですよ、と。母は全部わかっていましたからと無茶をした子を慰める母のように、暖かく包み込んでくれる。根っこのところを天に預けるってのは、そういうことで、天という存在の後出しジャンケンを容認することなんじゃないのかなっつー話。長いよ。

*1:詳しくは覚えてないけどキングを選んだ云々ダイヤを選んだ云々唯一の赤を選んだ云々、みたいなの。