細部話

どんなにどえらいストーリーだったところで、それを一括してインストールするように読み取ることはできず、細部という読み込み単位を繰り返し積み重ねることで、作品を受容するんであるから、重要なのは細部であって、ストーリー的なものはどちらかと言えばおまけに過ぎないんじゃないかな、とか考えた。すごい面白かった作品を人に紹介しようとするとき、どこが面白かったのかを上手く言語化できないのがあるのもそのせいで、読み込み単位の細部細部での、面白いという印象が積み重なって面白かったという意見を形成しているんではないか、必ずしもテーマやストーリーの構成、出来映えに帰することができない面白い作品が多々あるように、って。
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原作準拠の、忠実に再現された、アニメやマンガのメディアミックスもそうだよね。なぞってるプロットは原作のまんま。でも、なぜかつまらない。同じプロットを、忠実に再現しているはずなのに、なぜか。細部という考え方を導入するならば、それはプロットをなぞっているだけであって、細部の描写を、細部の面白さを、再現できていないから、と答えることができる。本当。あるよね、そういうの。あれ?ひょっとして原作もそんなに面白くなかったんじゃないか?って不安になっちゃような作品。誰かに勧めるときに、面白さを説明しようとして振り返って考えてみると、上手く言語化できないときの不安と一緒。作品が面白くなかったわけじゃない。ただ、振り返った視点から見える位置に面白さはない。それだけの話。