シナリオの出来不出来はさておき、才能のない努力家をちゃんと描いたという点で評価できる。才能のなさを常人以上の努力でカバーできたよ、なんてよくあるようなぬるいパターンではなく、常人以上にずっと努力し続けているにもかかわらず、目指してる場所には、ほんの一握りしかなれないプロフェッショナルの位置には、はるか及ばず、これから先、何十年と、更に厳しい特訓を続けたところでなれないだろう親しい相手に、引導を渡しきるところが、好感を持てた。
他のキャラの口から語られる寓話、陸に上がりたいタコに対して他の海の生物はみんな、無理だからやめとけよと言うなか、イカだけが頑張れば陸に上がれるよと励まし、タコは頑張り続けたものの、結局陸に上がれず、あるいは無理矢理に陸に上がったせいで、死んじゃいました、ちゃんちゃん。ひどいイカだね*1。っていうそれも同様、一般には誉められこそすれ非難はされない行為、イカの励ましを、無責任でひどいと、ちゃんと言い切るところが、いいよねっと。

*1:すでに記憶が朧。