職人

寿司を握る職人の手さばきを芸術と称するのなら、流麗にお釣りを渡すコンビニ店員の手さばきも芸術と呼ぶべきである。
まあ、べきである、だなんてしょーもないこと抜きにしても、あれは綺麗だと思う。上手い人のは本当に綺麗。数え切れぬほど繰り返された動作は一切の無駄を削ぎ落とされ、削ぎ落とされた部分さえなめらかになり、日本刀のような切れ味を持つ。多分お釣り渡すとこにビール瓶置いといたら瓶の先がすぱっと切れ、コンビニ強盗が火炎放射器持ってきてもマワシ受けできちゃうレベル。惜しむらくはあまりに強すぎるその技術。ボクサーが素人を殴ったら凶器を持っていたと見なされてしまうように、抜き身の刀をその身に宿すコンビニの店員は強盗に手を出すことができない。
さておき。その手さばきが綺麗だと思ってるのは本当なので日夜ひそかに尊敬の念を送る。