偶然必然物語

偶然という星に必然という線を引いたら星座ができたよ!
物語っていうのはそういうことだろう。偶然という不規則な点を結んで意味を見出す作業。というかそれに意味があると名付ける作業。
世界が物語的になっている。とあるプロレスラーがそんなことを言っていたが、そもそも人は世界を物語としてしか理解できない。世界中に神話があるのも、それが大体似たような物語であるのも、そういうことだろう。
チェスの盤面を記憶させたら素人はほとんど覚えることができなかったが、チェスの腕前が上がるほどに覚えられる量が増え、グランドマスターになるとほとんど覚えていることができたという話がある。へー、記憶力いいんっすねー、ってことで対照実験。チェスの駒の動きに従わない、ポーンがぴょんぴょん跳ねたりキングがワープしたり、適当でランダムな動きをする盤面を同様に記憶してもらったところ、今度はグランドマスターも素人もほとんど変わらない記憶力になった。チェスが上手い人は純粋に1回1回の盤面を記憶してたわけじゃなく、意味の繋がりをもとに大きな塊として認識していた。
そういうこと。単純な羅列は覚え難い。星なんか見てもよーわからん。そこに線を引いて星座を見出すことでわかりやすくなるように、目の前の事実に線を引く。目の前の現実に線を引く。引いた線の上、登場人物のように生きていく。自分の物語を生きていく。