そういうもんなんだろう

アフリカの不幸な子どもたちがどーでもいいのは距離のせいだと思ってた。
マンガや何かでよくある、アフリカの子どもたちを救うよりも自分の目先の快楽を優先させるために金を使ってしまうオレ、そしておまえら、的なあれ。距離のせいだと思ってた。アフリカっていう見たことも聞いたこともないレベルに離れてる、どこか現実ばなれした、いま自分が生きているこの世界とはべつのできごとであるかのような、そんな距離のせいだと思ってた。
でもちがってた。同じ国の、同じ国民の、身近な、誰もが知っている県で、あんだけのことが起きてんのに、徐々に薄れていくこのカンジ。単純に風化してるのかっつったらそうではなく、シリアスよりもゴシップを、てな具合に、むしろ忘れようと、終わったことにして片付けてしまおう的な、そんな空気。不幸な過去を持つ人と何回か会ったカンジ。最初は聞き入り、同情し、手伝えることがあったら何でも言ってください、なんつーものの、何回かするとなんだか面倒くさくなり、会うのすら厭うようになるあれ。だって思い起こさせるからね。数回で飽きちゃって面倒になってむしろそういう立場にオレを立たせるなよおまえに会うと自分がそういう人間だって思い知らなきゃならねえじゃねえか的な諸々を。