狂四郎2030

初めて読んだけどすげえマンガだな。名前の響き的にヤンキーマンガかと思ってたけど、全然ちがった。
ていうか今じゃん、っていう驚き。食料不足により第三次世界大戦が起きたその世界では、出産数を制限するために男女は接触を禁じられ、別々のところに住み働き死んでいく。
あるのはバーチャSEXマシンだけで、それを使うことで再現度の高い、都合のいいバーチャルを楽しむことができる。生身の異性を何年も見ることもなく、これから先も見ることのない彼らにとってはそのバーチャSEXマシンだけが唯一なんだけれど、それもすべての人に与えられているわけではない。懸命に働かなければ与えられないし、与えられていても、懸命に働かなければ取り上げられる。
通常はどのマシンの相手もNPCデータなんだけど、主人公のマシンだけは北海道の基地に住む技術者にハッキングされていて相互通信になっており、マシンの向こうには技術者である生身の彼女がいた。それを知った主人公はバーチャルだけでは満足できなくなり、危険を冒して、彼女に会いに行くことにした。
みたいな話なんだけど、わざわざ隔離なんてせずとも、似たような状況になってるよなあって驚き。AVやら二次元やら、男に限らず、女でも。単純に水は低きに流れる的なことなのかな。しかし、こういう話を読むと、例えばBECKで平凡な中学生である主人公がバイリンガルでモデルもやってる美人な子に好意を持つも住む世界が違うって諦める下りとか、なんだか頑張ろうって気持ちになる。同じ地球に住んでるんだし、接触したところで殺されるわけでもないんだし。しかし水は低きに流れるとしたら、ちょっと考えなければならない。それこそ禁止するとかね。まあ認識だけはしておこう。認識することではじめて救済のチャンスが生まれる。