コンビニで、あ、月曜が祝日だからもう出てるんだ、と月曜発売の漫画を立ち読みしてたときのこと。


Aが髪を気にしながら店へ入ってきた。黒っぽいジャージにTシャツ姿で部活帰りの女子高生のようだった。Aは足早に店の奥にある鏡へと向かう。
「―ぉぃ!おい!おいってば!」店の外から呼びかけていたのだろう。おいと呼ぶ声が次第に大きくなってBが店に入ってきた。Bも黒っぽいジャージにTシャツを着ていた。同じ部活の友人だろうか。しかしAは相変わらずBの呼びかけに振り向く様子はなく、店の奥にある鏡の前で髪をいじりながらぶすっとしていた。そんなAに業を煮やしたのかBは少し怒りながら言った。「おい!チンカス!」
チンカスと呼ばれたことが面白かったのかAはけらけらと笑いながら振り向いた。「チンカスじゃねえよ。」「うるせえチンカス。待てって言っただろ。」「それよりもやっぱあたしショートにすればよかったぁ。」髪をいじりながらAにそう言われたBはうんざりしたように息を吐いた。「知らねえよ。」
AとBがそんなやり取りをしていると店のドアが開き、CとDが入ってきた。やはり同じ出で立ちだった。AとBが話しているのを見たからか、Aの相手をするのは面倒だったのか、CとDは雑誌売り場で立ち読みをはじめた。「アヴリル最近あれだよねー。」Cが雑誌を読みながら言うとそれを覗き込んでいたDも適当な返事をした。鏡の前ではAがまだBに話していた。「もぅ、本当にショートにすればよかったぁ。」
しばらくはそんな状態が続いていたが、適当にぱらぱらと雑誌をめくってたCがその手を止めた。「ちょ!この人どら格好いいんだけど!」興奮するCに彼を知っていたらしいDはあくまで普通に応じた。「あー、この人今度恋空のドラマに出るんだっけ。」相変わらず鏡の前でAと話していたBはその言葉を耳にすると鋭く反応して歩み寄った。「え!?恋空!?何々?」よほど恋空が好きらしいBにAは髪をいじりながらついていった。「あー、ショートにすればよかったー。」
その後、BとCとDは雑誌をネタに盛り上がり、Aも時たま会話に参加し、飲み物買ったり、食べ物買ったりして、店を出て行った。店を出るまでの間、Aはやっぱり何回も繰り返し「ショートにすればよかった」と言っていた。


って、特に落ちはないけど、まあ実際の話だから、しょうがない。無理に落ちつけるなら、めちゃくちゃ長いこと書いて、やっぱりショートにすればよかった、って自分が言う、糞つまんねーのくらいしか思いつかないし。
ま、そんな感じでこんな感じ。所々のフレーズがなんか古い気がしたり、Aがショートショートうるさかったりして、なんか嘘っぽい気もするけど、いやいや本当にマジ話。小一時間前くらいのコンビニでの話。チンカスがちょっと面白かったから、結構耳に入ってきた。Aは本当にずっとショートにすればよかったと呟きまくりでうるさかった。思わずツッコミそうになるくらいに*1
しかしあれだね。彼女ら超元気だね。バイタリティーが違いすぎる。帰りにその4人がたまってだべってるとこ見たけど、勝てねえと思ってしまった。よく逆レイプ物のAVでそんなシチュエーションがあるけど、そういった作品によくある実はM男が喜んで従属してるってそれではなく、多分喧嘩になったらガチでこの人達には勝てないっていう敗北感。腕力とかそんなんではなくバイタリティーの差で。こっちはチキンだから躊躇するけど、向こうは自分を何の躊躇もなくゴミクズのようにしてしまえるだろう。そんな印象を受けた。何だろうな。こっちには否定しかないけど、彼女たちには肯定しかない。多分そこらへんが勝負を分けるだろうなっていう感覚。ま、いいや。暑い暑い。

*1:だからまあ動作は想像と言えば想像。基本的に漫画読んでたから、ほとんど彼女たちを見てないし。もしかしたらAはそこまで髪をいじってなかったかもしれない。ま、一度見えたときはいじってたし、ショートが云々とは何回も言っていたが。