えらい雷が鳴っていた

ビリビリと空気を伝わり体まで振るわせる大轟音が。前も書いたけど、もし自分が数百数千年前にタイムスリップして、そこで雷とは静電気でありなんて語っても誰も信じちゃくれない。現代でも雷が怖いという人がいるくらいの圧倒的な恐怖、リアル、エネルギーを持つ雷なんて現象を前にして、静電気だ何だのといった与太話を誰が信じるだろうか。
何だい静電気ってのは?え?髪が持ち上がるそれが静電気?馬鹿言ってるんじゃないよ。そんなのがこんなでっかい力を持つわけないじゃないか。これは神鳴りって言ってな、神様がお怒りの印なんだよ。じゃなきゃ、こんなすごい現象が起こるわけないじゃねえか。
そういった超越的なものによる説明体系の方がわかりやすいし実感としてリアルに感じられるのだから。じゃ、なぜ現代では静電気が信じられてるかっていうと、科学の恩恵という圧倒的な奇跡を見せつけられているから。例えば過去に行った自分が科学的な何かを信じてもらうには、原理を説明することではなく、科学によって奇跡を起こし、信じてもらった方が手っ取り早いように、現代でもそれは多分変わらない。一から体系的に理論を把握したが故に科学を信じている人がどれだけいるだろうか。大半の人が原始人のそれと同じく、奇跡による信仰ってだけなんじゃないだろうか。
と、まあ、近くの雷を聞いていて、そんなことを思っていた。もし過去にタイムスリップして、こんなものを前にしたら、絶対静電気なんて誰も信じてくれねえよっと。やっぱり宗教的なそれは説得力が違う。いや、ていうか、わからない不可思議なものを神に丸投げしてるから結果的に神の存在が力を持ち、説得力を云々って感じなのかな?いや、やっぱ、ちょっと違うか。こんな圧倒的な現象を前にしたら、理屈が云々っつーよりも、自然と畏怖しちゃうんだろうな。こんな現象を起こせる存在者ってのを。まあ、素朴に生きてたら、現象を起こせるのは人間的な存在者、こんなどえらい現象を起こせるのはどえらい存在者=神、的な感じになるのかな?どうかな。