善悪の区別もつかんガキ

昨日SS読んでたらそんな台詞があったけど、いざ言われてみると自分はどうだろう。区別つけられるのかな。というか、むしろ善悪があって区別があるんじゃなく、区別があって善悪があるって気もするけれど。
昔は貴族的価値感、私は良い!って自己肯定する価値観だったけど、最近じゃ自己肯定することのできないやつらが僻みまくった結果、自分達が持ってないものを持っているあいつは悪い!故に自分は善い!っていう価値観、たとえば金持ちは悪い!故に金持ちじゃない自分は善い!、みたいな僧侶的な価値観だから困るよねーって話からすれば、僧侶的な価値判断をする人は善悪の区別がつくが、貴族的な価値判断をする人は善悪の区別はつかない。なぜならそれは区別に先立っているから。
たとえば小悪党などがわかりやすい。彼らはその行為自体がしたいというよりも、悪であるからと禁止されているからそれを行為をし、侵犯や逸脱を楽しむ。だからもし、元の世界をaとして、善悪が逆転した世界をbとするならば、彼らはbの世界でも侵犯を楽しむために悪を為す。それがaの世界の善とされてた行為だとしても。
だから貴族的な自己肯定に支えられている人はaでもbでも同じ行為をし、僧侶的な価値に従う人はaとbでは中身が真逆の、善悪を為す。前者は善悪に先立っているが、後者は前者の行為を否定する価値を立て、そしてそれに従うのだから。
そう考えた場合、善悪の区別とは何だろう、って、まあ、その区別か。悪なる行為があって悪とされるわけじゃなく、悪とされる区別があってその行為が悪になるって具合に。でもそうすると、文脈から考えると、善悪の区別もつかんガキか→どうしてこんなことするんですか?→私は悪い魔法使いだからだ、ってのはいささか奇妙なことに……もならないか。要するに小悪党的に悪に従ってるよーって話で。まあ、要するに前に書いた悪の誇り云々って話だよな、これも。

決して善ではない、というかむしろ悪とされる手段を用いることが多い主人公が、ある時迷わずに善と呼ばれる行いをしようとするのを見て、悪だ悪だと人々に呼ばれてた少女はキレる。貴様に悪としての誇りはないのか!?そして主人公は答える。ねーよ、ばーか。善だからするわけでも悪だからするわけでもねーよ。俺は俺がしたいことをしてるだけなんだから。悪だからそうしなければならないだなんて縛られてるお前ってバカじゃね?
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