心の貧しさを

名誉感の喪失と定義している人がいた。自らが積極的に存在している意味を感じられる、自らの存在を肯定する根拠となる名誉感の喪失。たとえば、やーいやーい、お前が不具なのは神様があてた罰なんだからお前はそれに相当する悪事を働いたド腐れ野郎なんだよー、クズー、カスー*1、っと周囲から価値を認められずに、自らもそれを受け入れてしまっている状態とか何とか。
何かのマンガで自らが負けたと思ったら、一瞬でも敗北を感じ、受け入れてしまったら、何らかの無機物にされてしまうってマンガがあった気がするけど、あれに近い。王はなぜ王なのか。血や資質などではなく、周囲が彼を王として扱い、彼もまた王として振る舞うから王なのだ、って理屈に近い。周囲がそうという価値観がそうであるのは、自らもまたそういう価値観がそうであると扱い、振る舞うことによって、そういう価値観はそうでありうる、
だから不具は罰だなんて価値観も不具の人物がそれを受け入れてしまうことで初めて成立する。自分はクズだカスだと、名誉感を喪失することで、本当にクズやカスへと成り果てる。まあ大多数の価値観に抗うのはしんどいけれども、そこを踏まえると少しは違ったりするんじゃないかな。しないかな。

*1:悪いことをした結果が不具なのだから、不具になりたくなければ悪いことをしてはならないってすごい理屈だよなー。