昨日の夕方

寒い中ちょっと広い公園を通りかかったら、入り口の軽い坂になってるところで、半袖Tシャツ着たスケーターが、がちゃがちゃがったんとスケボーに乗って何か技みたいなやつの練習をしていた。真冬に寒中水泳だとか、滝に打たれるだとか、どう見てもそういった類の苦行にしか見えなかった。自分なんか厚着してるのに鼻水出てるくらいの寒さだったし。
でもそれを見てスケーターに取って半袖ってのは何かしらの意味があるのかもしれないと思った。普通に考えれば転んだときに擦り剥かないよう長袖のTシャツのが良さそうなもんだけど、この糞寒い中に至っても半袖Tを貫くポリシー。これはもうファッションだ何だのってレベルじゃなく、何かしらの意味があるに違いない。
例えば長袖着ないことから、逆に怪我をした方が格好いい文化があるんじゃないか、とか。怪我が多いってことは練習を沢山している証拠だぜと言わんばかりに肘にできたカサブタの厚さで腕前を見るような、顔に刀傷がある浪人を見ると、むむむ、こいつやりよるな、と思っちゃうような、そんな文化があるんじゃないのかな。うわ、こいつ、なんてカサブタの厚さだ。層が重なりに重なってるってレベルじゃなく、もう肘がぽっこり膨らんじまってるぜ、大した奴だ……みたいな。
とまあ、そんなことを考えながら公園を通り過ぎた。本当、普通に半袖だったなー。自分、汗かいてるから大丈夫っす、って感じでもなかったし、やっぱり何らかのポリシーがあるんだろうな。ファッションってすごいね、全く、なんて思っていると、信号に捕まった。ぼけーっと青になるのを待っていると、隣にミニスカの女子高生がやってきた。ああ、彼女らもスゴイね、そういえば。オシャレは金やセンスじゃなく、気合いと根性だね。