ピンクの風船

そういや昨日、古本屋へ行く途中、店の500m手前くらいにピンクの風船が落ちていた。歩道っつっても、道路側。子供が落としたのかな。ま、そろそろ道路へ出て踏まれて割れそうだけど、なんて思ってそのまま古本屋へ。30分くらいして店を出て更に向こうにある店へと用事があったので自転車で向かうと、その途中にまたもやピンクの風船が。色艶形からしてさっきの風船。今度は歩道のど真ん中。自転車で追い越した後に振り向いてみると、ピンクの風船は、風に吹かれてごろごろ転がり続けてた。
それ見てなんだか童話の一本でも出来るんじゃねえかな、なんて思った。自分を貰って喜んでくれた小さな子供。でもちょっと手を離した瞬間にふわりふわりと木の上に。泣きじゃくる子供。諭す親。小さな手を引っ張られながらいつまでも見ている子供。それ見て風船は思うわけだ。あの子の元に戻ろうと。空気が抜けて木から離れた風船は道路をころころと旅をする。犬やら自転車やら自動車やらやら。そんなハプニングをくぐり抜けどうにかこうにか子供の元へと辿り着く。でも、空気はすでに抜けまくり。しぼんだ風船があの時の風船だとわかった子供は驚く。風船は言う。また会えてよかった。子供は途惑う。抜けた空気に傷だらけの様子を見て。泣きそうになる。それを見た風船が最後の一言。だめだよ、笑わなきゃ。そのために、君を笑顔にするために、僕は来たんだから。子供は涙を流しながら泣き笑い。それを見た風船は満足げにしぼむ。
しぼむ、て。ま、風船だからその後に膨らましても、膨らましたらさっきの風船じゃなくジュニアになってて、なんて展開でもいいのかな。いずれにしても、謝れ。真剣に童話書いてる人に謝れってレベルだけど。しかし、あれだな。童話ってのはほとんど読んだことないな、そういえば。ぐ、ぐりとぐら?(本当そんなレベル)