ある本の感想で

性格とか以前に、自身がマイノリティーになった経験がある人とじゃないと、私は友人になることはできない、みたいなことを書いてる人がいた。わからないでもない。確かに、ソフトやハードや環境諸々が異なっているのにもかかわらず、自分の生と他人の生は変わらない、同じ生を生きているんだ、って人なんかはちょっとお断りしたい気もする。俺はこうやって生きてきたんだ、お前も同じようにやればいいだけじゃないか、なんて言われたら困ってしまう。
たとえばハードのほんの一部、嗅覚が人並み外れて敏感な人がいたとすると、その人とその人以外の生は大きく異なる。普通の人は普通に日常を過ごせるが、嗅覚が利く人は街中を歩くだけで一大事。煙草排ガス化粧香水体臭口臭腐臭等々。いちいち吐き気を催す臭いがそこいら中に溢れている。そんな人に向かって同じ生だとは言えないように、ハードどころか自我ってソフトも環境も違う人に、云々。ま、それを突き詰めちゃうと対話の可能性すら閉じちゃうわけだから、行き過ぎは行き過ぎであれだけれども。