試験管

人間を複数の化学物質が入った試験管に喩えた作家がいた。試験管に入ってる物質が化学反応することで喜んだり悲しんだり怒り出したりする云々。
精神科の投薬を認めない人なんかは多分受け入れられない考え方だろう。お前のは怠けであり甘えでありさぼりである。その後に省略されている言葉はこうだ。なぜなら現に自分はピンピンしているのだから。そういう人は化学物質が入った試験管なんて考え方は受け入れない。自分の中には、自分の分身である小さい自分がいて嬉しい悲しいと感じているんだという考えの方が、まだピンとくるだろう。
体内でせっせと化学物質を作り出してる工場の調子が悪いんで投薬してバランスを取っているんですよ、なんて言ったところで、自分の中にはそんな工場はないし、もし仮にあって、調子が悪かったとしても、やる気さえあればどうにもでもなる、と言うかもしれない。ま、そこまで類型的な人は、なかなかいないだろうけど。