神の溝

「でも君も僕を忘れる」はよかったな。主人公が実はヒロイン、なんてウテナっぽい展開が頭に浮かぶ。最後はえるしー攻略するのかな、みたいなこと書いてた人いたけど、逆にえるしーに攻略される展開。恋によって心のスキマを埋められたらえるしーのことを忘れてしまうことを、誰よりもよくわかっていながら、それでも埋められ忘れる展開。ま、その後は実は忘れてなかったみたいなのでもいいんだけど。終わったけど残ったものを頼りに失った記憶を再び獲得するような。
ていうか、えるしー視点のがいいかな。神様がカケダマに取り憑かれて助けるためには恋に落とさせないと駄目なんだけどっていう。忘れられちゃうけど助けるためにはって、今まで教えて貰ったギャルゲによる恋愛テクを駆使して、合間合間にその時の回想が入ったりしながら頑張るえるしー。で、忘れられたかと思いきや、なぜだか覚えてる神様が、先の理由みたいに痕跡を頼りに記憶を再構築とかで、僕を誰だと思っている、と登場、エンド。
いずれにしても、ベッタベタである。ここらへんが貧困なる想像力の限界、っつーか、想像力を使ってすらない人間の限界。創造とは今までに読んだ物語の混濁である、記憶が劣化したことにより文脈を離れたパーツパーツの組み合わせを創造だと勘違いするみたいな、こと言ってた人いたけど、それ以前。どっかで見たような展開をそのまま持ってきてるだけなんだから。