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以前書いた話をふと思い出して二つ。ここでいう純粋さは、たとえば、戦争が正義や理念や正当性や、ましてや想いの強さなんかではなく、物量とその運用によって決まるような、そういった純粋さだよなってこと。なにを当たり前な、なんて思うかもしれないけど、フィクションに限らず現実でも人はそんな風に考えがちだろう。善人が報われず悪人が謳歌するこの世界は云々なんて。そういった意味で現実は純粋。
もうひとつは、先に結婚の約束をした、男性恐怖症で他の男には、不治の病にかかり余命いくばくもない、的なフラグ合戦的な話が好きじゃないのは、そういった理由からだろうなっと。えーっと、こんなかで一番好きなのはねー、とかじゃなく、そういった搦め手で既成事実的に、選ばざるを得ない状況っていうのがどうも。
極貧から血のにじむような思いで這い上がったチャンピオン、元極道だけど更正して男の生き様を物静かに見せてくれるチャンピオン、そういった余計なもんをリングに持ち込むのと一緒だろうと。なんていうかそれだけで、ただ普通の暮らしをしてきた才能だけがずば抜けてあるチャンピオンが負けに傾いてしまうような、そんな余計なもん。予告に、「人生」の重さか、「才能」の重さか、ってあるけどリングはそういう場所じゃねえから、っつー*1。純粋に力で技で勝負する場所に「人生」の重さを持ち込む不純さっていうのは、恋愛という場所にいかに自分がどれだけ不幸だったかというフラグ合戦に持ち込むのと一緒だよなあっと。それならまだ、萌え、って物差しの方がずっといい。いかに萌えるか萌えないか。
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*1:こんなに努力しているのに!ここは努力比べ競争じゃねえから、っつー現実のそれと一緒。