お節介な善意に勝る悪意はない

ここらへんが善とか悪のいやらしいとこだよな。結果じゃなくて意思で決まるんだから。
悪意は簡単。不利益なんじゃいボケーって殴り倒せば万事おk。悪は滅びる。世の摂理だね、なんてぶったりもできる。が、それが善意の場合、そう簡単にはいかなくなる。
あのー、それはこちらとしても、不利益を被りますんで、お気持ちは誠にありがたいんですが、今回は取り下げて貰えないでしょうか、なんて腰を低くしてお願いして、怒る場合はまだ楽。せっかく善意でやってやろうと思ったのに!なんて怒る相手に、誠にあいすいませんでしたなんて平身低頭してれば済む。
でも相手が畏まったりへこんだりする場合が厄介。ああ!すいません!本当にそんなつもりじゃなかったとは言え私ったらこんな提案をしてしまいまして!本当にすいませんでした!なんて謝られた日にはこっちも土下座る勢いで謝り、相手もまた謝り、こちらもまたまた謝り、相手もまたまたまた謝り――無限アポロジーって怖くね?なんてな話になる。
こちらへの不利益って結果ではなく、相手が善意を持っていたか悪意を持っていたかで決まる。悪意の場合は利益に繋がろうが悪意を持っていたというだけで罰せられるに十分であり、善意の場合はそれが不利益に繋がろうが善意を持っていたというだけで罰するには不十分になる。不十分っつーことで、善意を断ると何だかこちらが悪いような風向きになる。善意を持った相手が被害者で善意を無碍にしたこちらが加害者。
はいはい被害者被害者。